それぞれの国の文化や習慣は、現地人にとって当たり前すぎて気が付かない事も、外部から見ればとてもユニークで不思議なもの。日本もまた然り。
世界で日本は「個性的」で「丁寧」な国であると評判ですが、日本文化は驚くべきポイントがまだまだたくさん。
今回は日本在住の外国人の皆様や、久しぶりに日本へ帰国した海外移住者の皆様が日常で気が付いた「日本特有のユニークな特徴」をご紹介いたします。
※掲載内容はすべて個人の感想です。
1. ショッピングカートが小さい！
NNW取材チーム (イギリス在住): 本日はお集まりいただきありがとうございます。今回は日本での日常生活の中で、「日本らしい」と感じるユニークな特徴などについて皆様にご意見をお伺いできればと思います。
みほさん (日本国籍 ドイツ在住): 帰国して驚いたのは、日本のショッピングカートがとても小さい事ですね！久しぶりに見ると、サイズ感に驚いてしまいました・・前からこんなに小さかったかな？
ポールさん (アメリカ国籍 日本在住): 日本のカートは高さも低いし、幅もとっても狭いね！僕は身長が190cm近くあるから、日本のカートは使いにくいなといつも感じています。
ジュリアさん (フランス国籍 日本在住): 欧米のショッピングカートは2～3倍くらいの大きさがありますね。それから日本は、カートの中にカゴを設置するスタイルが個性的だなと思います。フランスではカートの中に直接商品を置いていくから、日本のシステムは最初は戸惑いました。
NNW取材チーム : 日本人は、公共の場所や不特定多数の人々が使用する物などは綺麗に使うという習慣があるので、カゴを置いて汚れを防ぐという面もあるのかもしれません。野菜なども他国では直にカートに入れますが、日本人は透明のプラスチックバックに入れたりしますね。
ジーノさん (イタリア国籍 日本在住): それにプラスチック製も多くて軽いですね。日本は体の小さなお年寄りが多いから、軽くて小さいカートが主流なのかと思います。
欧米で見かけるような大きくて重たいカートだと日本のおばあちゃん達は操作が大変だよね。しかも日本の食材はどれも内容量が少なくてサイズが小さいから、大きいカートは必要ないのかも。
※日本の一般的なショッピングカート
※世界の一般的なショッピングカート
2. スタバ、Apple、X … アメリカ好きの日本人
ジュリアさん : それに日本人はスタバが大好きですね。ヨーロッパではスタバは味が不評で人気のない国が多いので、日本での評価はとっても興味深いと思います。
ジーノさん : イタリア人はコーヒーのこだわりが強いから、チェーン店やコンビニのコーヒー、自動販売機のコーヒーなども中々飲めないですね。僕は毎日エスプレッソを飲むんだけど、日本にはエスプレッソが置いている店が少なくて探すのに苦労しています！
みほさん : 私もヨーロッパのコーヒーに慣れると、日本のコーヒーは味わいがなくて飲めなくなってしまいました。
NNW取材チーム : 日本は様々な面でアメリカに影響に受けていますね。スタバやAppleなど日本の消費者たちの間では、アメリカ発のブランドというだけで評価が高くなる傾向があります。
ポールさん : そうだね！それに面白いのは、アメリカ人よりも日本人の方がAppleを使っているっていう所。X(旧Twitter)も使ってるのはほとんどアメリカ人と日本人で、他国ではそんなに人気がないんだよね。
出典: statista
出典: Exploding Topics
みほさん: 多くの国ではアメリカよりも日本ブランドの方がいつも評価が高くて、日本人というだけでも信用度が高くなります。だけど日本では国内ブランドよりもアメリカブランドの方が人気になったりするのは不思議です。
ジュリアさん : 結局どの国でも、海外から来たブランドというだけで、クールなイメージを持ってる人が多いのでしょうね。
3. 公共の場がとても静かで綺麗
NNW取材チーム : 他に思いつく日本の特徴はありますか？
ポールさん : これは日本旅行した人が口を揃えて言うことの大定番だけど、日本の交通機関は本当に静かですね！満員電車でも静か。誰も電話しないし、こんなに大勢の人が居るのに誰も声を出さないのはすごいね。
ジーノさん : 僕も初めて日本に来た時は本当に驚きました。大人だけではなくて、日本の子供たちもすごく静かでマナーを守っているのは驚きでした！
ポールさん : アメリカでは子ども達も大人も、全員うるさい。笑 それからさっきのカートの話にもあったけれど、電車などの公共交通機関や道路がすごく綺麗です。
ジュリアさん : 外国人旅行者は日本の綺麗さには驚きますよね。日本はゴミ箱が全然ないんだけど、道にゴミもない。皆ゴミを持ち帰っているという事ですよね。公共トイレも綺麗で驚きです。
NNW取材チーム : 日本の学校では、小学生の頃から学校を毎日掃除をするという習慣があるので、公共の場は綺麗に使わなくてはいけないという意識が形成されているようです。
ジュリアさん : それはとても良い教育だと思います。他の国もぜひ取り入れてほしいです。
4. 紙が上質。ティッシュが薄い
NNW取材チーム : 日本の製品などについて思いつく特徴はございますか？
みほさん: 日本は、紙が上質だなといつも感じます。ティッシュやトイレットペーパーは薄いし、女性用ナプキンも質が高く使いやすいです。ヨーロッパのティッシュは基本的に大きくて硬いです。
ジュリアさん : 私も花粉症やアレルギーを持っているのでティッシュをよく使いますが、日本製は肌触りが柔らかいですね。日本のティッシュの柔らかさに慣れると、他国ではどれも硬くて使いにくいなと感じますね。
ジーノさん : イタリア人はティッシュは一回で捨てずに何度も使ったりします。折りたたんで次に使うようポケットの中に入れておくのです。でも日本のティッシュは小さくて薄いから何度も使えないです！
ポールさん : ノートや書籍の紙もクオリティが高いですね。日本製じゃないものはペラペラで破けやすかったり、逆に紙が厚すぎたりするけど、日本の紙は丁度いい厚さで造られていると感じるね。
5. デザインやテレビ番組の情報過多
ジーノさん : 僕があまり個人的に好きではないのは、デザインですね。日本の商品などは文字が多すぎてデザインが美しくないと感じます。空間がなく文字文字文字。
ポールさん : そうだね。セルフレジで商品のバーコード探すのにいつも時間かかるよ。どの面も文字やイラストなんかが多すぎて「バーコードどこだよ？！」って。笑
ジュリアさん : 日本のテレビも文字多いですよね。どのチャンネルでも文字がいっぱいで必ず誰かの顔が端に表示されている。
ポールさん : 確かにいろんな人の顔が常に表示されているのは、僕も好きじゃないなぁ。内容に集中したくても顔が見えるのが気が散る。日本の視聴者には需要があるのかな？
みほさん: 海外のテレビ番組はいつもスッキリしていて見やすいです。日本は基本的にいつも情報過多でごちゃごちゃしていますね。笑
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6. 店員が丁寧。配達員も丁寧
ポールさん : 日本の素晴らしい面は、接客も素晴らしいところですね。丁寧で、接客中スマホ触ったりする事もない。
みほさん: 日本で接客中にスマホ操作したりすると、その日のうちに辞めさせられてしまいますよ！
NNW取材チーム : 日本はチップ制度もなく接客業の時給も低いので、もう少し評価されるべきですね。皆さんは宅配などのサービスも利用されていますか？
ジーノさん : 宅配はよく利用します！日本のサービスは本当にすごいですね。とても丁寧で早い！
ジュリアさん : 日本では箱や商品が壊れている事なんてないですね。フランスはこんなに丁寧ではないです。商品を投げる配達員も多いし、箱がボロボロなのは日常的です。日にちも遅れる事が多いです。
みほさん: 日本の皆さんには海外のサービスを一度経験してもらいたいですね。日本の丁寧さや凄さを実感できますし、そうすると無理難題を押し付けたり、過度なサービス要求をする消費者も減りそうです。
7. 日本人は外見や年齢を気にしすぎる？
ポールさん : 日本のニュースサイトを読むと違和感を感じる事がいくつかある。1つ目は、いつも年齢が記載されること。名前の後に(20)、(45)のように。英語のニュースでは年齢がいつも掲載される訳ではないから、日本人は年齢のこだわりが強いなと思います。
英語は敬語もないから、上下関係は日本程に厳しくないね。10歳離れていても友達になったりする。でも日本は1歳違うだけでも先輩後輩といった形で敬意を払わなくてはならない。
みほさん: 日本の年齢に対する評価は確かに厳しいと思います。この年代はこうした行動を取らなくてはならない、こういった服装をしなくてはならない、など社会全体で決まられていて、レールから外れると変人扱いをされてしまいます。
ジュリアさん : フランスでは年齢を重ねる事は美しいという認識がありますが、日本では若いほど良いと考えてる人も多いと感じます。
ポールさん : それから2つ目は、ニュースの見出しで「美人」「イケメン」とか、容姿に言及している事が多いこと。とても奇妙だし不快感も感じるね。美的感覚は人それぞれ違う訳だし、公平に情報を伝えるべきメディアがそうした表現をしている事がどうかなと思う。
NNW取材チーム : そうですね。価値観は人によって異なり、さらに国や人種間ではさらに大きく異なります。日本では一般的に痩せている事は美しいと考えられていますが、アジア以外では膨よかであったり、健康的な体型が良いとされていたり。美は主観的な意見で判断できないものです。
ジーノさん : 日本や韓国では女性的な男が流行っていたりするけれど、欧米ではあまり人気がない。多くの男たちは必死にトレーニングして大きく見せようとする。国によって美意識とか流行もかなり異なるよね。
みほさん: 私の夫(イギリス人)と以前、日本で買い物をしていた時に、メンズ服ショップの店員さんが「お兄さんかっこいいですね」と夫を褒めましたが、彼は喜びというよりも驚いていました。
イギリス人はあまり男性同士で容姿を褒めあったりしないので、帰路で「あの人は僕に気があるのかな？」と言っていました。同性愛者の方がアプローチしてきたと思ったようです。
ポールさん : 僕も日本では同性に外見を褒められたりする事もあるけど、やっぱり少し違和感があるね。日本はほとんどの国民がアジア系(日本人)だから、皆好みが似ているのかもしれない。それでも価値観は人それぞれ違うと思うから、メディアが容姿に対してジャッジするのはどうかと思う。記事の内容に関係ない事だし。
ジュリアさん : アニメでも、美しい人といえば細くて色白で描かれているけれど、アフリカ系やラテン系の人からすると、アニメは肌の色が濃い人があまり出てこないなと思うようです。日本ではファンデーションも明るいトーンばかりですが、フランスではアフリカ系女性も使えるようなダークカラーまで、様々なスキンカラーの色が売られています。
NNW取材チーム : 日本も世界の様々な立場の色々な人の価値観や考え方がもっと浸透し、あらゆる視点の理解が深まると良いですね。日本は先進国ですが、差別(人種、容姿、LGBTQ、性別、年齢)に関する意識は、全体的に他国に比べて遅れをとっていると思います。
日本の特徴 – 日常編 – まとめ
NNW取材チーム : この度は興味深いお話をお聞かせいただき誠にありがとうございました。最後に読者の皆さんへメッセージがありましたらお伺いできますでしょうか。
ポールさん : 日本は素晴らしい面が沢山あります。日本で色んな人と話をしてみると、日本が好きじゃないって人にも時々会ったりするんだけど、それは日本がどんなに良い環境であるかという点に気付いていない人が多いからだと思う。
他国では戦争だったり、犯罪が多かったり、日本のように平和な国は珍しいからね。自分達の国にもっと誇りを持って、人生を楽しんでほしいなと僕は思います。
みほさん: 私も海外移住をする前は、「日本が好きじゃない」一人でした。日本社会に息苦しさを感じて留学をし、日本を飛び出したのがきっかけでした。実際に色んな国を見てみると、日本の多くの素晴らしい点に気が付くことができました。
日本もそんなに悪くないなと多くの方に気付いていただけるといいなと思います。
少し排他的な部分に関してはもう少し柔軟性をもって、時代遅れの悪習慣などは改善していくといいなと思います。
ジーノさん : 日本は世界でも人気国の一つです！今は円安という事もあって多くの外国人が日本に来ていますね。これからも日本の美しさ、魅力をを守りながら、さらに良い国になってほしいなと思います。日本人はシャイと言われていますがもっと積極的に、人生を楽しんでください！
ジュリアさん : 日本は「おもてなし」の心があり、とても丁寧で優しく接してくれる方が多いです。日本の伝統や習慣などを次の世代へ繋げていき、いつまでも素敵な国でいてくれるといいなと思います。他人の評価などあまり気にせずに、自信を持って堂々と生きてほしいなと思います。
NNW取材チーム : この度は興味深いお話をお聞かせいただき誠にありがとうございました。
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