2012年から毎年、国際連合の関連団体が「世界幸福度ランキング」(World Happiness Report)を発表しています。第7回のレポートでは156カ国を対象としており、国際幸福デーである3/20に発表されました。今回は幸福度ランキング上位10カ国の「幸せの秘訣」を解剖いたします。
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10位 オーストリア(Austria)
音楽の都ウィークを首都とする「オーストリア」は第10位。国別治安度ランキングでは第3位に選ばれるほど安定度の高い国です。オーストリアは、交通機関の運賃が他国に比べ安く、大学までの学費が無料であったり、医療費も無料と、非常に社会保障制度が充実しています。
オーストリアでは幼少期の頃から、「自分の意見を主張し、自身の個性を表現する事が大事」という教育を受けます。仕事面においては定時上がり、休日はしっかりと休む。こういった背景により、ストレスが溜まりにくい充実したライフスタイルが構築されています。
アルプス山脈などの壮大な自然と触れ合うことが出来たり、音楽をはじめとする芸術文化がオーストリア人の生活をより豊かにしています。世界三大オペラ劇場と言われるウィーン国立オペラ座、「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台となったザルツブルク等は有名観光スポットの一つとなっています。
9位 カナダ(Canada)
NNWでも度々取り上げている国、人気国「カナダ」。幸福度ランキングのみならず、治安度ランキングでは第6位、GDPでは世界10位と、バランスの取れた国です。カナダ人はなぜこんなに豊かで幸せなのでしょうか?さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。


8位 ニュージーランド(New Zealand)
豊かな自然が世界を魅了する「ニュージーランド」。様々な国籍の人々が共存するこの国で、国民の約8割が幸せを感じていると答えました。そんなニュージーランドは、社会保障や医療制度が他国に比べて充実している国と言われています。
様々な国でも実施されているように、ニュージーランドの医療システムは、GP(General Practitioner)と言われるホームドクター制度をとっています。緊急ではない場合は、まずはじめにGPにて診察を行います。GPは登録制で、登録すると処方箋や診察料が安くなります。人気のある医師では予約が取りにくいと言ったデメリットがありますが、ほとんどの国民が登録しています。
さらに2018年末にニュージーランド政府は、2019年度の予算で「人々の幸福」に当てる予算を組むことを発表しており、詳細は5/30に発表される予定です。人々の幸福や環境に焦点を当て、政府がこのような活動を行っていることがまた、国民達が幸せでいられる要因の一つのようです。さらにニュージーランドに関する記事はこちらから。
7位 スウェーデン(Sweden)
IKEAで有名な「スウェーデン」。スウェーデンの国民たちが幸せな秘訣は彼らが頻繁に唱えるある言葉にあります。その言葉が「Lagom(ラーゴム)」。日本語に訳すと「多すぎず少なすぎず、ちょうど良い」という意味で、完全ではなく適度がいいと言った意味合いが含まれています。完璧主義の日本とは真逆の考え方と言えます。
この「Lagom(ラーゴム)」の発想は、スウェーデンの人々が生きるうえでどんな時でも、肩の荷が下ろすことができる魔法の言葉となっています。
スウェーデンのみならず北欧全体の風潮としても言えますが、彼らは「家族」や「家」をとても大事にしています。毎日家族揃ってディナーを食べるなど、仕事に囚われず家族との時間を大事にするスウェーデン人は、本来人間があるべき姿を表しています。
6位 スイス(Switzerland)
雄大なアルプスの山々と壮大な自然が魅力の「スイス」は第6位。以前は首位にも輝いたことのあるスイスは年々ランキングが下がりつつも、未だに6位をキープしています。
緑豊かな自然が多いスイスでは、国民の健康意識も高く、添加物が入っていない食事やオーガニックの野菜など、食生活にこだわりを持っています。日本のようにコンビニエンスストアが多くないので、添加物がたくさん使われているコンビニ弁当も存在せず、食す機会もほとんどないようです。
豊かな自然と共存しながら、バランスが良く、体にいい食事を摂ることがスイス人の「幸せの基盤」を作り上げているようです。
5位 オランダ(Netherlands)
風車やチューリップで有名な国「オランダ」。実はオランダのワークスタイルは他のEU諸国とは異なります。EU加盟国の労働人口のうち、パートタイムで働いている割合は平均で20%であるのに対し、「パートタイマー王国」とも呼ばれるオランダでは男性が26.8%、女性は76.6%に上ります。女性労働者の4分の3以上がパートタイマーなのです。
さらにオランダは「世界で一番子供が幸せな国」と言われています。
オランダでは教育の自由が保証されており、各学校ごとに個性あふれる多様な教育が実現されています。オーストリアや他のヨーロッパ諸国と同様に、子供の「自立」や「個性」を活かした教育が幼少期から行われています。さらに前述したようにパートタイマーが多いことによって、両親が子供の為に多くの時間を確保できるといった点に繋がっています。
4位 アイスランド(Iceland)
世界の治安度ランキングでは1位を獲得した「アイスランド」は、幸福度ランキングでも上位にランクインしています。アイスランドは、消費税が25%と非常に高いのですが、その分、社会保障が充実しています。医療費、妊婦健診や出産費用も無料、そして大学までの義務教育の期間は学費が無料なのです。
アイスランドの社会は学歴重視ではありませんが、大学進学率は70%と高く、アイスランドの子どもたちは学びに対する意欲が非常に高いと言われています。
さらに男女格差が少ない国であり、世界初の女性大統領が誕生したのもアイスランド。国は会社の役員の40%が女性になるよう法律で定められています。国会議員も半数は女性。年齢や性別が関係なく国民の一人一人が活躍できる国、アイスランド。こうした背景が国民を幸福へ導いているようです。
3位 ノルウェー(Norway)
雄大な自然、そしてアイスランドと同様に美しいオーロラを観ることができる「ノルウェー」。2017年には世界で最も幸せな国として1位に選ばれた事もあります。
日本とノルウェーの面積と人口を比較すると、日本が総面積378,000 km²に対しノルウェーの面積は385,200 km²と、ほぼ同じ大きさである事がわかります。反して日本の人口約1億3000万人に対し、ノルウェーの人口は約530万人。ノルウェーは世界的に見ても人口密度が低く、大自然を存分に満喫できる国です。
2位 デンマーク(Denmark)
童話作家アンデルセンを生んだ、絵本の世界のような街並みが魅力の「デンマーク」はこの度第2位。デンマークは幸福ランキングでは2013年、2014年、2016年には1位に輝いています。今回惜しくも2位になってしまったものの、手厚い社会保障や世界中が憧れるライフスタイルはもちろん健在です。
デンマークにも労働に関する厳しい規定があり、労働時間は週37時間と定められています。すると1日当たり7.4時間。もちろん残業はなく、教育費・医療費・出産費用・介護費用が無料です。
実は先程の「Lagom(ラーゴム)」のように、デンマークにも魔法の言葉が存在します。
その言葉が「Hygge(ヒュッゲ)」。居心地の良さや心地よさ、満足した気分や時間の在り方を表す言葉です。この言葉はデンマークで生まれたコンセプトで、他の国の言葉に訳す事はできません。最近ではイギリスをはじめとした国々でもHygge(ヒュッゲ)ブームが起きており、世界的にも注目されているコンセプトです。
ヒュッゲ(リラックスして心地よくくつろげる時間、そんな時間を作り出すことによって生まれる満足感や充実感)を大切にする生き方がデンマークの人々の幸福感を高めているようです。
1位 フィンランド(Finland)
栄えある第1位に輝いた国は、ムーミンの故郷としても知られる「フィンランド」です。2018年に引き続き2年連続首位をキープしたフィンランド。世界一幸福な国に住む人々のライフスタイルとはいったいどんなものなのでしょうか?
フィンランドは他の北欧諸国と同様、緑が多く自然豊かで、子育てや医療への手厚い保障や無償教育が実施されています。また前述した国々と同じく、社会において学歴はあまり重視されず、新卒採用や中途採用という概念もありません。日本のように、良い大学を受験し、就職活動を行い、終身雇用、そして定年までの労働・・といった決められたレールに乗る事がなく、国民の一人一人が個性を発揮できる、それぞれにあったライフスタイルを送ります。
30歳や40歳になって大学へ進学をしたり、海外へ留学する人も少なくありません。フィンランドの特徴は、そうした人々も寛容に受け入れ、何歳になっても新しい職場へ就職ができるといった点です。大学は学費無料なので、「何か新しい事が始めたい」「今までの職が自分に合っていないな」という理由で比較的に簡単に、大学へ入ることができます。
また、ムーミンの世界のようにフィンランドは自然が多く、休日にはアウトドアを楽しむ人も多くいます。美しい草木が生い茂る森のなかを散歩したり、フィンランドの発祥としても有名なサウナに入ることなどで、多くのリラクゼーションを生活に多く取り入れていることがフィンランドの幸福の秘訣のようです。
幸せのヒントを彼らの生き方から学ぼう
ジョナサン
北欧の国には共通した傾向がいくつかありました。
労働時間が短く、残業がない。
税金は高いが、医療費、教育費、出産費用などの保障が手厚い。
子供の自立や、国民のそれぞれの個性を尊重する社会。
物に固執しない。目の前の時間や生活を大事にする。
家族や家で過ごす時間、自然と触れ合う時間を重視している。
といった点が挙げられます。
2019年のランキングでは日本の順位は58位でした。日本は毎年順位を下げています。これを機に深く深呼吸をして、あなたにとっての幸せとは何なのか?をもう一度ゆっくりと考えてみてはいかがでしょうか?
今回ご紹介した国々に住む彼らの生き方は、あなたの人生を少し変えてくれるかもしれません。
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