【2024年治安】近年日本は犯罪が増えているのか? 各国の犯罪数を比較してみた

近年「日本の治安」は徐々に悪くなっているのか?


長年、日本は世界で最も治安の良い国の一つと言われています。

しかし近年起きる大規模犯罪の数々。2022年に起こった「安倍元首相銃撃事件」や2019年「京都アニメーション放火殺人事件」等は多くの日本国民へ大きな衝撃を与えました。このような事件が起こると、多くの人が口を揃え「最近日本も治安が悪くなってきた」と唱えます。

しかし、実際に日本の治安は悪化しているのでしょうか?


筆者は日本育ち、現在はイギリスに住んでいます。
「最近日本の治安が悪くなってきた」という言葉を聞く度に、「本当に日本の治安は悪化しているのだろうか?」という疑問を持っています。なぜなら、体感として圧倒的にイギリスの方が犯罪が多いように感じている為です。

イギリスでは日常的に様々な地域で犯罪(特に窃盗、強盗、暴行等)が多発しており、小規模犯罪では国内のトップニュースにはならずローカル誌で取扱われている程度です。
つい数週間前にも、筆者の住む地域の近くの食料品店で殺傷事件がありました。現場には規制線が張られ、救助ヘリコプターが来る程の騒ぎでしたが、当日ロンドンのローカル誌で報道された程度で、数日経っても被害者の生死に関する後報もなく、犯人が捕まったとの情報も得られませんでした。

3週間してようやく警察が事件の後報を公表しましたが、被害者が生存している事、容疑者の年齢、そして証拠不十分により容疑者はすぐに釈放されたという簡単な情報のみが公開されました。



日本では殺傷事件となると国内トップニュースとなり、センセーショナルに各社報道が繰り返されます。

そこで筆者は、「日本の犯罪数は他国と比べると圧倒的に少ないが、一つの事件が何度も繰り返し大きく報道される事で、日本の国民は「治安が悪くなってきた」ように感じているのではないか」と仮定を立てました。

果たして実際に日本の治安が悪化しているのか、正確な数値データを基に他国と比較検証してみる事にしました。

今回比較する国と犯罪の種類


早速、日本の犯罪数と世界各国の犯罪数を比べてみましょう。対象国はG7のアメリカ、カナダ、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、そして日本の7ヵ国を比較します。小さい国は十分なデータが揃っておらず、中国とロシアは申告数が実際の数値と大きく異なる可能性があった為比較対象から外しました。

今回比較する犯罪の種類は「殺人」「性犯罪」「窃盗」の3項目です。

今回はデータソースとしてUnited Nations Office on Drugs and Crime(国連薬物犯罪事務所)、通称UNODCの集計データを使用します。国連薬物犯罪事務所は1997年に設立された国際連合の機関です。薬物規制やテロ等の組織犯罪、国際犯罪を撲滅する為の活動を行う組織で、各国の犯罪データを公表しています。

日本と各国の「殺人」犯罪数


まずは各国人口10万人当たりの殺人による年間死亡者数を、1992年、2002年、2012年、2020年のデータを基に比較します。

国名1992年2002年2012年2020年
アメリカ9.315.634.696.42
カナダ2.591.861.582.02
フランス2.361.881.241.07
イギリス1.141.790.930.99
ドイツ1.441.440.810.94
イタリア2.601.130.880.48
日本0.540.520.340.25
Data source: United Nations Office on Drugs and Crime – Victims of intentional homicide

各国全体としては90年代~2000年代に比べると、2010年代~現代にかけては殺人犯罪数は減少傾向にあります。各国2012年の殺人犯罪が比較的少なく、近年にかけては若干の上昇傾向です。しかしイタリアと日本は近年でも減少を続け、低数値を維持しています。

上記のデータからは、日本の殺人犯罪率は他国と比べても極端に少ない事が分かります。筆者の住む現代イギリスよりも約30年前の1992年の日本の方が殺人犯罪数が少ないのです。

最新2021年の人口10万人当たりの殺人による年間死亡者数をさらに他の国とも比較してみます。

国名2021年
アメリカ6.81
カナダ2.09
フランス1.14
イギリス1.17
ドイツ0.83
イタリア0.51
ブラジル21.26
韓国0.52
ロシア6.80
ホンデュラス38.25
ジャマイカ52.13
イラク15.40
セントルシア38.96
シンガポール0.10
日本0.23
Data source: United Nations Office on Drugs and Crime – Victims of intentional homicide

世界の国々と比べると、現代日本はとても殺人犯罪数が低い事が分かります。シンガポールは日本よりも更に低い数値です。
ジャマイカの数値 【 52.13 】ともなると、もはや入国するだけでも命の保証はないといった状況です。

日本と各国の「性犯罪」犯罪数


次に、各国人口10万人当たりの性犯罪件数を、2004年、2014年、2021年のデータで比較します。
アメリカのデータが取得できなかった為、下記の表では省略いたします。またイギリスは2021年のデータが現時点で公表されていない為、最後の項目では2018年のデータを表記しています。

国名2004年2014年2021年
カナダ80.5373.59100.60
フランス43.6548.69115.02
イギリス89.45137.24274.09(2018年)
ドイツ70.5242.7150.10
イタリア6.457.889.73
日本8.906.794.55
Data source: United Nations Office on Drugs and Crime – Violent & Sexual Crime

カナダ、フランス、イギリスの数値が極端に上がっているのは、移民の影響が大きいと考えられます。アフリカ等の貧しい国から移住した移民達は、軽犯罪を多く引き起こす傾向にあり、移民を多く受け入れている国ではこれらが現状社会問題の一つとなっています。
反して日本の性犯罪数は低下していますが、公に発覚していない痴漢犯罪は現代日本でも日常的に発生しています。

特に東京の満員電車では痴漢被害が日々多発していますが、立証が難しく、現状ではただ被害者が我慢するといった対応しか出来ない場合が多く、今後はこれらの対策がさらに必要となります。

そもそも世界には東京規模の満員電車は滅多にない為、一般的に電車内での痴漢犯罪そのものが起こる状況がないと言えます。日本の「見えない痴漢犯罪」を上記のデータに含めると、日本の性犯罪数値は上昇する事が想定されます。



日本と各国の「窃盗」犯罪数


次に、各国人口10万人当たりの窃盗犯罪件数を、2004年、2010年、2016年のデータで比較します。

国名2004年2010年2016年
アメリカ2372.832007.891747.53
カナダ2171.791593.761408.64
フランス1380.861864.762136.19
イギリス3433.542654.942513.65
ドイツ2951.871509.381570.05
イタリア2530.841591.271867.39
日本827.79480.84293.12
Data source: United Nations Office on Drugs and Crime – Theft

こちらのデータからも、2016年では20年前に比べて全体的に窃盗犯罪数が減少傾向にある事が分かります。しかしフランスのみ増加しており、近年フランスの治安が悪化していると囁かれている理由が読み取れます。

反して日本の窃盗件数は大幅に減少しています。2016年では日本の次に数値の低いカナダ1408.64の約1/4にも満たない、293.12件です。

日本では落とし物は高確率で警察へ届けられ持ち主の元へ帰ってきます。この事実は日本を訪れる観光客たちは大変驚くと言われています。
筆者の配偶者も初めて日本・東京を訪問した際には、隅田川沿いにある駐輪場の「大量に並ぶ自転車」に大変驚き、その光景の写真撮影をしていました。

日本以外の多くの国では自転車を道路に駐輪していると、例え施錠していてもあっという間に盗難被害に遭ってしまいます。

【海外の反応】外国人が日本に来て驚いた日本特有の文化とは?

日本の治安はむしろ回復していた


全体データで比較すると、日本の治安は悪くはなっておらず、むしろ治安が良くなっていた事がお分かりいただけたと思います。

現代は情報社会で、事件の最新情報もすぐさま受け取る事が出来ます。日本の国民達は日本の報道によっても大きく影響を受けている可能性があります。


前述の通り、イギリスでは一つ一つの事件に対する報道が少なく、あまり詳しい情報を得る事はできません。

日本では一つの事件が大規模な報道で、様々なメディアにより繰り返し報道されます。過度な報道は、「日本の治安が悪くなってきた」と考える人が多くなる最大の原因であると言えます。

センセーショナルな報道の繰り返しは、国民の防犯意識を高めるきっかけになるという面では良い方向へ働きますが、あまりにも過度で膨張された報道では、国民へ間違った認識を植えてしまうという側面もあります。

情報社会では誤った情報に踊らされず、正しい情報を見極めていく事が大事です。



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