【フランス留学】フランス好きだった少女が憧れのパリで留学生活

– Today’s writer –

 

名前/住まい

MIMI(40代後半) /ドイツ ケルン

どこの国・都市へ留学しましたか?

フランス パリ

留学していた時期は? 

1999年10月~2010年2月

 

留学を決めたきっかけとその国を選んだ理由は?

 

幼少期より、好きになるものは全てフランスとつながっていました。フランスの作曲家の曲を弾き、クラシックバレエを習い、フランス人作家の翻訳書を読み、フランス語の単語を覚えることが大好きだった少女時代の私は、「将来は必ずフランスに行く!」との夢を抱き続けてきました。

 

念願かなって入った大学でフランス文学を専攻したものの、授業内容は思い描いていたものとは違い迷いが出始めました。追い打ちをかけるように文法の単位を落とし、真剣に転部を考えたこともありました。

 

そんな折、一念発起して短期留学を2度経験し、やはり「いつか絶対に戻って来よう」と決意し、社会人として働きながらも語学学校に通い、フランス語のレベルダウンを避けました。十分な資金を貯めた後の渡仏での長期滞在は、学生時代とは違い、更に有意義な留学生活を送ることができました。

 

 

フランスと日本との間での大きな違いは?文化や習慣の面で驚いた点は?

 

初めてのフランス滞在では、自分の意見を言わないと、子供じみていると思われることに非常に驚きました。常に自分の意見を求められ、そういった習慣のなかった自分にとっては戸惑うことばかりでした。フランス語ができなかったことにより、尚更この習慣が大きな壁となりましたが、自分の思っていることを自分の言葉で伝えるとうことが重要ということに気づけたことは、その後の私の生き方に大きな影響を与えました。

 

また、「規則」よりも「個人の意見」を主張する習慣にも驚きました。担当者によっていうことが変わるという状況には、長期滞在を経ても、なかなか慣れることができませんでした。この違いは、フランスが個人主義の国、ということから来ていると思われます。

 

これらの例をはじめ、日本とフランスの間には様々な違いがあります。渡航前に両国の違いを知っておくことにより、現地での滞在中のトラブルを避けることができるでしょう。

 

 

渡航先の町で見つけたおすすめの穴場スポットは?

 

フランスには回教徒が多いため、全国にモスクがあります。パリにもGrande mosquée de Paris と呼ばれる回教徒寺院があるのですが、回教徒でなくとも見学ができます(有料)。ハマムもある敷地内には、一角にカフェがあり、ミントティーやエキゾチックな甘いお菓子を楽しめます。パリの真ん中にいながらにして、異国情緒漂うグランド・モスケ・ドゥ・パリは地元の人の憩いの場ともなっています。

 

参考 Grande mosquée de Paris公式WEBサイト

 

 

近くには植物園や動物園もあり、パリの中心にいながら街の喧騒を離れ、ちょっとした旅行気分を味わうことができます。

 

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滞在先の環境面は?どんな所に住んでいたの?

 

学生時代に短期留学をした際は、ホームステイを必ず選択するようにしていました。ホームステイをすることにより、一日中フランス語に触れる機会があるばかりか、フランス人の暮らしを観察することができるので、文化や習慣を学ぶこともできる貴重な体験でした。また、食事に関しても、食事つきプランを選択すれば、フランス人の家庭料理を毎日食べることができるのも、ホームステイならではの醍醐味です。

 

滞在費は余分にかかりますが、語学学校に通いだけでは得られない様々な体験をしたいと思われている方は、是非ホームステイを選択してほしいと思います。その際には、ホテルでないということを肝に銘じ、積極的に家事に参加することと、受け身でいることを避けることが、ホストファミリーとうまくやっていくコツだと思います。

 

 

前述した通り、フランスでは、自分の意見を言わなかったり、意思を伝えたりしないことは子供じみていて恥ずかしいことなので、フランス流の習慣を学ぶ上でも、ホームステイは実に有意義な体験となることでしょう。

 

また、個人でアパルトマンを借りようと思っている方は、別の問題があります。パリでは住宅事情が他の地方都市と比べるとかなり厳しいので、学生たちはなかなか滞在先を見つけることができません。

 

見学までたどり着くことさえ難しいのに、当日は複数の見学者がやってきて、外国人はリストの最後、というのが悲しい現状です。ありとあらゆる手段を使って探さないと、パリでは滞在先が見つからないと思っておいたほうがよいでしょう。

 

フランスでは新学年は9月から始まるので、新学期に合わせて学校に通うために9月に探し始めても、空き物件はほとんど残っていません。また、7月8月はパリの人はバカンスに出かけてしまって、残っているのは外国人ばかりとなってしまうので、できることならバカンスに入る前に、9月からの滞在先を決めてしまったほうが安心です。

 

「パリ」はどんな街?

 

パリは世界中からの観光客が訪れる、見どころのたくさんある街です。いわゆる観光地だけでなく、市民の憩いの場である公園や庭園もたくさんあり、パリの人たちはお天気がいいとベンチや芝生でくつろいだり日光浴をしたりすることが大好きです。セーヌ川沿いを散策したり、バスやメトロに乗る代わりに歩いたり、公園でピクニックをしたり、とお金をかけずに街の中で健康的に楽しむのがパリ琉です。

 

また、パリは歩いて端から端まで行けるほど、日本の大都市と比べると小さな町です。朝市をのぞいたり、あてもなく歩いて小さな裏通りで思いもかけないお店や場所を発見したりするのも楽しいものです。

 

 

観光都市「パリ」の違った顔を見ることができるのも、住んでいるからこそ。観光地ばかりではなく、日々の生活の中で楽しめる場所を見つけるのが、パリで生活する醍醐味でしょう。

 

 

留学の感想&読者の皆さまへアドバイス!

 

フランスでやりたいことは人それぞれだと思いますが、できれば語学研修だけでなく、大学や大学院にも進学してほしいと思います。もちろん、他の専門がある方は、専門を極めることもとてもいいと思います。

 

ひとつ忘れてはならないことは、海外で留学生活を送る際に、どうして自分はフランスに行きたいのか?ということです。本当に自分の学びたいことを学びに行くことが目的なのか?それとも、なんとなくフランスに憧れているだけなのか?はたまた日本での生活に嫌気がさして、ただ単に現実逃避なのか?

 

フランスだけでなく、海外での生活は日本以上にストレスの多いものとなり得ます。なぜなら、言葉も習慣も環境も違うのですから。単なるあこがれだけで渡仏してしまうと、結果としてそのギャップについていけず、引きこもりがちになってしまうのです。また、言葉ができないことも大きなストレスです。

 

「パリ症候群」という言葉をご存知ですか?パリに憧れてやってくる多くの日本人が、イメージと現実のあまりのギャップにうつ状態になってしまうことです。

 

フランスにやってくる前のフランス語レベルが十分でなかった日本人の多くは、語学学校や専門分野の学校の授業についていけません。そのため学校以外は日本人とばかり行動していて、フランス語はほとんど上達しないまま。曇り空と、朝も遅くまで暗い気候風土も相まって、うつ状態とホームシックで帰国せざる得ない状況に追い込まれた例を、私も数多く知っています。

 

このことから、留学準備は語学だけでなく、現地情報や気候風土、文化習慣に至るまで、出発前にきちんと準備してから出発したほうが、到着後にがっかりせずにすむでしょう。

 

 

また、留学後のビジョンをしっかりと持って行くことも重要です。なんとなく行ってみたい、というのもありかもしれませんが、具体的な目的や目標があったほうが頑張れるというのはご理解いただけると思います。それに、留学そのものを進学や就職に結びつけられるという点でも、将来設計をきちんとしてから出発するほうが有意義だと言えるでしょう。

 

フランスは、日本人が考える以上に外国人が多く、語学学校以外でも外国人のクラスメイトや同僚がいることは当たり前の環境であることが多いものです。そのため外国人である私たちが滞在するには比較的心地よい場所だと言えるでしょう。ただ、フランス語が全くできないと、フランス人の対応はとても冷たいものだということも覚えておいてほしいと思います。

 

 

また、日本ではあまり気にならなった、宗教や食のポリシーに関する違いを受け入れることも必要となってきます。フランスで暮らすことによって、多様性の国ならではの暮らし方のノウハウを学んでいくことになるでしょう。

 

せっかくの留学生活を辛いものにするのか、楽しいものにするのかはあなた次第。是非出発前にきちんと準備をして、有意義なフランス滞在をしてほしいと思います。