メキシコってどんな国?必ず知っておきたいメキシコの特徴7選

北アメリカに位置する「メキシコ」。首都はメキシコシティで、カリブ海やメキシコ湾の海の透明度と美しさは世界でもトップクラス。カンクンなど多くのリゾート都市も人気を集めています。

公用語は定められていませんが、事実上の公用語はスペイン語。ほとんどの国民がスペイン語を話します。他にも、68の先住民諸言語も政府により認められていて、多言語国家という一面も。

通貨はメキシコ・ペソが使用されており、通貨記号は「$」。しかし隣国の米ドルと混同されやすいため、Mex$と表記されることも多いです。

他にもマリアッチ・サボテン・タコス・テキーラなどをイメージする方も多いかもしれませんね。おおらかな国民性とユニークな文化を持った、ラテンアメリカを代表する国です。

本日のライター


名前 / 住まい
 Yu Villegas / ドイツ

メキシコとの関わり
 配偶者がメキシコ系アメリカ人

1. 食のバラエティの豊富さ


メキシコを語る上で絶対に外せないもの。それは、メキシコ料理!7000年も前から伝わる伝統的な食文化が評されて、2010年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されました。

日本ではタコスくらいしか知られていませんが、実はメキシコ料理、そのバラエティの幅がすごいんです!というのも、メキシコは南北に広がる国土で、地方によって気候が大きく異なり育つ作物もそれぞれ。そのため地方ごとの郷土料理が発展したと言われています。

例えば、タコス1つとっても、牛・豚・羊・チョリソー(ピリ辛ソーセージ)、シーフードなど、具材の幅は無限大。個人的に1番の大好物は、「Taco de lengua(タコ・デ・レングア)」という牛タンのタコス!トロトロに煮込まれた牛タンとパクチーやスパイスの絶妙な味付けがたまらなく美味しいので、メキシコ旅行中に見かけたらぜひ試してみてほしい一品です。


また鶏肉にソースがかかった「Mole poblano(モレ・ポブラーノ)」。なんとこのソースには、チョコレートが使われているんです。チョコレートに、唐辛子・ナッツ類・ゴマなどがミックスされていて、かすかな甘みと辛さの奥深いハーモニーにハマる人続出。メキシコ人が大好きなメニューです。

また、メキシコでは地元の人々で賑わう道ばたの屋台や食堂から、三ツ星の高級レストランまで選択肢も多いのも魅力的。どこに行っても美味しい味に出会えるので、ぜひいろいろなメニューにチャレンジしてみてくださいね。

以下に個人的にイチオシのメキシコ料理を紹介します。メキシコ旅行中や、メキシコ料理店へ行くときの参考にしてみてくださいね。

  • Tamales(タマレス):トウモロコシ粉の生地「マサ」に、味付けしたチキンなどの具とソースを入れ、トウモロコシの皮で包んで蒸した料理。メキシコ版ちまきとも呼ばれる。
  • Pozole(ポソレ):大粒のトウモロコシと豚肉のスープ。モチモチのトウモロコシの食感と、出汁の効いたスープ、トッピングのスパイシーなソースのコンビネーションが絶妙。
  • Ceviche(セビーチェ):新鮮な魚介類のマリネ。ペルー発祥の料理だが、メキシコで広く愛されているメニュー。

2. 食卓に欠かせない「マサ」は、日本人にとってのお米!


メキシコの食文化の基盤となるのが、トウモロコシ。マヤ文明やアステカ文明の時代から、トウモロコシは最も重要な食材だったと言われています。

また、人類とトウモロコシの出会いの伝説が神聖化して語り継がれていたり、神様への供え物にされたり…と、トウモロコシは日本でいうお米のような位置づけ。国や時代が違えど、同じように主食になる穀物を神聖視していたのが興味深いですね。

さて、そのトウモロコシを粉にして、水と練り上げたのがマサと呼ばれる生地。このマサから、メキシコ料理に欠かせないトルティーヤや、タマレスなどが作られ、「マサの質・仕上がりによって料理の味が決まる」と言われるほどです。

市販のトルティーヤがスーパーで気軽に手に入るメキシコですが、現在でも国内どこでも見かけるのが「Toltilleria」という自家製トルティーヤを販売するお店。そこではトルティーヤにする前の状態のマサも販売されていて、これが飛ぶように売れている光景をよく見かけます。

私の主人の家族も、毎朝出来立てホヤホヤのマサを買い、家でフレッシュなトルティーヤやタマレスに仕上げていました。こちらのほうが市販のトルティーヤよりもトウモロコシの香りがして、桁違いに美味しいんだとか。日本人の美味しいお米への探求心に通じるものがあるよなぁと、いつも面白く感じるものです。

3. メキシコ人=多様性の象徴


メキシコ人と聞くと、多くの人が「ソンブレロ(つばの広い伝統的な帽子)をかぶった、黒ひげ・黒まゆげの褐色の男性」をイメージするのではないでしょうか。(私もそうでした…!)

しかし、メキシコを旅行していたり、主人の家族や友人たちと出会うとその印象がガラッと変わりました。黒ひげのイメージ通りのおじさん方も確かにいるのですが、金髪・白人の方もいれば、アジア系のような顔立ちをした方、髪の毛がカールがかった黒人の方まで、本当に千差万別。(おおらかな笑顔と、気さくさはみんな共通しています!)

それもそのはず、メキシコは多様性のある人種構成が特徴。長い歴史の中で先住民と欧州系(スペイン系等)の血統がミックスされ、どの人もいろいろな国のルーツを持っているといいます。

そのため、これぞメキシコ人!という外見は実は存在しないんです。西欧諸国では、いまだ人種問題が存在して社会問題になっています。しかしメキシコでは、そもそも多種多様が長い間当たり前だったため、そんな問題は皆無。

バリバリの日本人で観光客!というスタイルの私でも、現地人と思われたのかスペイン語で道を聞かれることも多々あり面白いなぁと感じたものです。



4. 世界に誇るアート大国


メキシコが実はアート大国ということはご存知でしょうか?

首都メキシコシティには約170もの美術館・博物館があり、世界で最もミュージアムの多い都市の1つと言われています。

入場料も平均50ペソ(約420円)と他の国々に比べて格安。また文化振興の一環で、ほとんどのミュージアムには毎週入場無料の日まであるんです!アート巡りだけで何日も費やせてしまい、アート好きにはたまらない場所なんですよ。

世界で最も愛されている画家の1人である、フリーダ・カーロ。彼女がメキシコ出身というのはあまりにも有名な話ですね。その特徴的な自画像は、見たことがある方も多いはず。


フリーダの夫、ディエゴ・リベラもまたメキシコで最も有名な画家というのもすごい。彼女たちを代表するメキシコのモダンアートは、先住民芸術を現代によみがえらせたスタイルが最大の特徴です。

スペインからの長い植民地支配に対する抵抗という意味合いもあり、民族のアイデンティティーを強く打ち出しています。ヨーロッパの芸術に影響をあえて受けなかったことから、独自の芸術が発展。メキシコならではのユニークな芸術スタイルが出来上がりました。

参考までに、メキシコシティにあるおすすめミュージアムをいくつかご紹介しますね。

  • 国立人類学博物館(Museo Nacional de Antropología):メキシコシティを訪れる人なら必ず訪れると言われ、マヤ・アステカなどの出土品が文明ごとに展示されていて、見ごたえ抜群。かの有名なアステカ・カレンダー(太陽の石)もこちらに展示。
  • フリーダカーロ美術館(Museo de Frida Kahlo):フリーダの生家を利用したミュージアム。彼女の作品や、実用品、部屋などの見学が可能。
  • 国立宮殿(Palacio Nacional):見どころは、現代メキシコ芸術の巨匠ディエゴ・リベラの最高傑作と称される巨大な壁画。アステカ建国から20世紀初頭までのメキシコの歴史がダイナミックなタッチで描かれている。

5. おおらかな国民性


メキシコ人は、とにかくおおらか。その一言に尽きます。太陽の明るさのせいなのか、陽気で明るく、細かいことにとらわれない人が多いように感じます。

時におおらかすぎて、日本人からすると「時間にルーズ」と感じてしまう時も。

私たち家族で例を挙げると、結婚式当日の流れがめちゃくちゃアバウト。式を挙げたあと、一部の家族・新郎新婦だけで思い立ってビーチまで行って写真撮影、二次会会場でお客さんたちを待ちぼうけに…ということもありました。

しかし、客は客で飲んで笑ってその時間を楽しんでいて、誰も新郎新婦がいつ帰ってくるかなど気にしていない様子。「今を楽しむ」「あるがままを受け入れる」というおおらかさがそこにはあり、ほのぼのした記憶があります。



6. 家族が第一


メキシコ人にとって家族はなによりも大事な存在。3世代・4世代が複数家族で同居、そして親戚一同近所に暮らしてお互いを助け合っている…というのが典型的なメキシコ人家族像です。

しかし最近では、都市部を中心に核家族も増えているそう。それでも、誕生日やクリスマス、年末年始には、必ず親戚一同集まってお祝いをします。

そして普段からお父さんたちも残業はしないし、職場の同僚と飲みに行くこともしません。仕事が終わったら、家族の元に直行する人がほとんどです。なぜなら、メキシコ人にとって家族は宝。家族と過ごす時間が人生の中で一番大切だからだと言います。

日ごろからハグをしたり、「大好き」という思いを、常に伝えていることも印象的で、見習わなきゃいけないなぁといつも感じます。

7. アステカ文明はけっこう最近!?


メキシコの歴史上、重要な時期であるアステカ文明。この時代は「古代メキシコ」と呼ばれることも多いため、古代エジプトのように紀元前を想像する方も多いと聞きます。しかし、意外や意外、アステカ文明の最盛期は15~16世紀。日本では戦国時代にあたるんです。

そしてその名残は、現在でもメキシコシティのいたるところで垣間見えます。中心地にはアステカ帝国の大神殿跡「テンプロ・マヨール」が。ここはアステカ文明発祥の地なんですよ。

また、メキシコシティ近郊にある「ソチミルコ」は、水上都市であったアステカの首都の風景を色濃く残す街。「トラヒネラ」というカラフルな船での運河散策がこの街の楽しみ方です。道中には船上タコス屋さんや、お土産屋、マリアッチ楽団の船などもあり、最高の体験になること間違いなし!



まとめ


「行った人は必ずハマる」と言われるメキシコ。

日本からは遠くあまり旅行先としてはメジャーな国ではありませんが、美味しいごはんにおおらかで温かい人々、見ごたえのある街…と、世界中の旅人たちを虜にする国です。

この記事をきっかけに、メキシコについて興味を持っていただけたら嬉しいです。

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