【フランス留学】まるで夢の世界。優雅で貴重なパリジェンヌ体験

– Today’s writer –


 名前/住まい

ミントティー(30代後半) /フランス

 どこの国・都市へ留学しましたか?

フランス パリ、ボルドー地方

 留学していた時期は? 

パリ:2010年12月~2011年12月

ボルドー地方:2018年4月~現在 

留学を決めたきっかけとその国を選んだ理由は?


私の初めての海外旅行がフランスでした。しかし、その時は「フランスって何があるの?」と観光地も食べ物も何も浮かばない、未知の国でしかなかったのですが、一緒に旅行をする友人の勧めでフランスに行くことに決めました。いざ行ってみると、テレビでよく見る海外の風景に感動とワクワクが止まりませんでした。

しかし、初めての海外と言うことで、他の国も見てみたいと思い、毎年海外旅行をし、フランス以外のヨーロッパの国も観光してみました。しかし、「やはりフランスが一番!」と思い、その後も3度、フランス旅行へ行きました。何度言っても気持ちは変わらず、「他の国に行ってみたい」と言う気持ちが出てきませんでした。観光中、英語もフランス語もできない私達に気さくに話しかけてくれるフランス人・困っている様子を見て積極的に声を掛けてくれるフランス人がいました。


その後「あの時自分がフランス語を話せていたらなぁ・・・」と思うことがあり、三日坊主になりがちな私はまず、独学でフランス語を始め、次に短期契約できる少人数制のフランス語教室に通いました。
この話を当時働いていた職場の後輩に話したところ、留学を勧められました。それまで「留学」なんて考えたことがなかった私にとって、目が輝くような出来事でした。しかし、当時は仕事のキャリアも順調に伸び、楽しく仕事をしていたところなので、すぐには決められませんでした。

約1年考え、ワーキングホリディで行くための条件である、「年齢」がギリギリだったこともあり、「仕事は留学後に復帰できる」「留学のチャンスは今しかない」と思い、後輩の後押しもあり、思い切ってフランス語学留学を決断し、1年間フランス・パリに滞在しました。



フランスと日本との間での大きな違いは?文化や習慣の面で驚いた点は?


日本とフランスの大きな違いはいい事・そうでない事を含め、今でもヒシヒシと感じますが、当時私が感じたことは、「フランス人は他人にも優しい人が多い」と言うことでした。しかもそれが「優しくしよう」と思って行っていることではなく、無意識に体が動いているように感じました。

私がパリ市内を歩いていると、老人が道端でこけたり、若者が乗ったバイクが転倒!そんな時、すぐさま近くにいたフランス人達が駆け寄り、助けているのです。転倒した老人に対して手を差し伸べる人は日本でも無い話ではないと思いますが、それでも1人・2人ではないでしょうか?バイクが転倒してすぐさま駆け寄る様子を見たことがあるでしょうか?駆け寄ったとしても、行動に移すまでには少し時間が掛かるのではないでしょうか?
決して日本人が優しくないわけではなく、「助けたほうがいいかなぁ」と、ふと頭をよぎる日本人の控えめな性格、それは文化の違いではないかと思いました。


他には、日本人は生活の中でもやはり仕事がメインになってしまい、遅くまで仕事をする方も多いですが、フランス人は休日は勿論、アフターファイブをしっかりと楽しんでいて、平日も疲れた様子を見せず、カフェやバーでお酒を飲んだりディナーをされていました。それを見て、なんだか羨ましくなり、少なくとも自分の生活より楽しい生活をしているフランス人の様子に、「フランス生活っていいなぁ」と思いました。

一度私が閉店10分前のスーパーに行こうとした時です。「もう少しで閉店だけど、10分もあれば買い物は終了するから・・・」と思い店内に入ろうとした時、「もう閉店だから」と入れさせてくれませんでした。日本では考えられない。しかし、こう言ったある意味きっちりしていることも、アフターファイブを楽しむためには必要なのかもしれません。

また、日本人の多くは、休日や長期休暇にはお金をかけて楽しむ(テーマパーク・旅行など)方が多いかと思います。少なくとも私はそうだったと思います。勿論フランス人もテーマパークに行ったり旅行には行きます。しかし、家の庭でのんびりしたり、川辺で友達とピクニックのようにお菓子を食べながらジュースやお酒を飲む人々、友人を家に招待して会話を楽しみながら長い時間ランチをするフランス人が多くいました。このようにフランス人の休日の多くは、お金をかけずに楽しむ方が多いです。


あとは夏の日照時間の長さです。夜遅くまで明るく、遅い時間まで大人だけでなく子供も両親と出歩いていることに驚きましたが、遅くまで明るいということに関してはこれもまたワクワクさせられる出来事の一つです。日照時間の違いもあるためか、食事時間も日本とは違います。20時・21時から食事をされる家庭も多く見受けられます。

年が明ける12月31日から1月1日にかけての夜中は、夜中とは思えない、バーも開いており、多くの人々で賑わっていました。クリスマスはフランスでは日本とは反対で、家族と過ごすようで、私もホームステイ先の家でマダムとその娘さん・娘さんのご主人・お子様と過ごさせていただきました。どんなクリスマスかとワクワクでした。クリスマスツリーは大きく、ツリーの下には映画で見るようなプレゼントの山!!「いったい誰のプレゼント?」と思うほどでした。




パリには沢山のバーやカフェがあり、どこもいつも賑わっています。私は留学中、あまり外食はしなかったのですが、外食をした中でも面白いレストランがありました。モンマルトル付近にチーズフォンデュ専門の小さなレストランがあるのですが、そこではワインを注文すると、なんと!哺乳瓶にワインが入ってくるのです。

フランス人の多くはワインをよく飲むので、店内は哺乳瓶をくわえた大人が沢山!少し照れて笑いながら飲む人もいれば、慣れてしまい、平然とした顔で飲んでいる人もいます。そして、このお店のテーブルも少し変わっています。店内の端から端まで繋がった長~いテーブルに向かい合うように長~い椅子があります。知らない人と隣り合わせに座る、まるで何かのパーティかのようで、隣の知らない人とも仲良くなれそうな、そんな距離でした。

そして、なんと言っても壁側に座るための行き方です。普通はテーブルとテーブルの空いた隙間を通って壁側の椅子に座りに行くと思うのですが、長~い1つのテーブルなので隙間がありません。「どうやっていくのか。。。」と思っていると、店員が手を出し、「椅子に立ってテーブルをまたいで行って」と言うのです。手を取って支えてくれるのは親切でいいのですが、ありえません。驚きの嵐でした。料理だけでなく、周囲のお客さんの反応を見るのも楽しいレストランでした。

Le Refuge des Fondus


もう1つはムーランルージュ近くにある、店内でカフェもできるケーキ屋です。こちらは店員が皆さん日本人の方で、フランス語が出来なくても気軽に入店できるケーキ屋でした。ケーキについて質問しても、親切に詳しく教えてくれます。

滞在先の環境面は?どんな所に滞在したの?


私のパリ滞在の初めの住まいはマダムが1人で暮らしている家でのホームステイでした。こちらのお宅は空き部屋が2部屋、時にはマダムの部屋も貸しているような、各国からホームステイをする外国人を受け入れている家でした。ホームステイ先に到着した時にはすでにドイツ人の男性がおられました。

私は約3ヶ月と、長期間のホームステイを予定していましたが、他の方は2週間の方がほとんどでした。なので、ドイツ人の次はたまたま私と同年代の日本人女性、その後は年配のアメリカ人女性2人、また次にはまだ大学生の日本人女性、時には1人の時もありました。日本人も多かったのですが、様々な国の人との関わりが持てたり、マダムも含めフランス語で会話をしながら夕食を共にしていたので、フランス語の上達にも繋がりました。


日本では一人暮らしを7年ほどしていましたが、海外で一人暮らしは寂しく、何か困った時にすぐに相談できるようにフランス人や日本人が住む家の1室を借りて残りのパリ暮らしを生活したいと思い、このホームステイ先から引っ越した先は、フランス人男性が大家さんで、一階に大家さん、二階と三階に私と日本人女性1人、フランス人女性1人が住んでいる、シェアハウスのような家でした。

それぞれが各自の生活をしていたので、ほとんど会話はなかったのですが、大家さんとは仲良くなり、2度ほど大家さんが暮らす一階に招待してもらい、一緒に食事をしたり、写真家であったので、私の写真も撮ってくださいました。とても優しい大家さんでした。

次に引っ越した先は、フランス人マダムが1人で住むアパートの1室を借りていました。キッチンとトイレは共有でしたが、シャワーと洗面台は私専用のものがありました。マダムは留守にすることも多かったのですが、家にいる時には、つたない私のフランス語での会話を気長に聞いてくれる、優しいマダムでした。

フランス語に自信がない、フランス語を早く習得したい、フランス人との関わりを増やしたい、一人暮らしは不安などのお気持ちがある方にはホームステイやフランス人が大家さんで近くに住んでいたり、家の1室を借りて一緒に住むことをお勧めします。私はこれにより、フランス語が上達したと思います。また、クリスマスやお正月と言った、イベントの時期だと尚更イベントに一緒に参加でき、なかなか体験することができないフランスの文化に触れあうことができます。



「パリ」はどんなところ?


当たり前ですがパリは都会なので、どこに引っ越しをしても夜遅くまで若者の声が聞こえており、時にはパーティをしていたのか、朝方まで騒いでいる声が聞こえて眠れなかった時もありましたが、どこに行っても近くにスーパー・駅・パン屋が近くにあり、とても便利で住みやすい街でした。また、パリのメトロは少し歩けば次の駅、少し歩けば違う線の駅、とたくさん張り巡らされていて、「地図なしで道に迷ってもなんとかなる」と思えるほどでした。

しかし都会である故に、観光客や住民達が多く、いつも賑わっている場所です。パリ滞在において、のんびり静かに暮らしたい方はセーヌ川左岸の中心部から少し離れた地区がお勧めです。この辺りは住宅街も多く、比較的治安がいいと言われています。セーヌ川右岸の特に東部(18・19・20区)は治安が悪いようで、フランス人の誰もがそう答えます。

私は数か月間18区に住んでいたことがあります。確かに路上にはタバコやお土産グッズを個人で道行く人に声を掛けて売ろうとしている人達がいたり、若者の集まり場のようでした。私が18区に住んでいることを知り合いのフランス人に言うと、皆さん驚かれ、「大丈夫?」と心配してくれていました。

私も初めは「怖いなぁ」と思い、住居を探しているときに、「部屋は気に入ったけど場所が・・・」ととても悩みました。しかし、やはり部屋がとてもよかったので18区に住むことに決めました。私が住んでいたところは隣に保育園や郵便局があり、駅からも近かったので、住んでみると便利で悪くはなかったですが、やはり家に着くまでは気は抜けませんでした。


パリは本当にスリがとても多いです。私は被害に遭ったことはありませんでしたが、鞄を開けられ、危うくお財布を取られそうになったことが2度あります。2週間の留学でパリに滞在していた知り合い2人、観光で1週間滞在していた知り合い1人がお財布や携帯電話を取られる被害に遭っています。日本では1年間で3人もの知り合いが被害に遭うことはそう無いと思います。電車や駅構内、カフェでは気を付けなければいけません。

勿論路上でも、鞄は常に前・道路の反対側が鉄則です。そして、大人だけでなく子供集団にも要注意です。意外と子供達が親切な振りをして気をそらせて財布を取ると言ったこともあります。私はもしものために、財布や携帯電話はキーホルダー等を使って鞄の中で鞄と繋げるようにしていました。いざ自分が使うときは使いにくかったですが、もし鞄から出されてしまっても、簡単に持って行かれてしまわないように。。。

留学の感想&読者の皆さまへアドバイス!


留学中、楽しい事ばかりではなく、困ったこともたくさんありました。その度に留学中に知り合ったフランス人に相談したり助けてもらいました。解決すること・しないこと、そして諦めなければいけない事など色々でした。日本での出来事なら間違いなく相手側に文句を言いまくっているだろうと思うことも多々ありました。

しかしフランス人は温厚なのか、自身の国をよく知っているからだけなのか、私の気持ちはよく理解してくれているものの「仕方ないよ」「よくあることよ」「言ってもどうにもならない」と諦めムードなので、初めは悔しい思いもありましたが、「自国であるフランス人にさえどうにもできない事なら私にどうにかできるわけがない」「フランスとはこんな感じなのか」と観光だけではわからない、文化の違いを学びました。

困ったときにフランス人に相談することでフランス語での会話も増え、私のフランス語の上達に繋がり、この経験を通して文化の違いを理解し、フランス文化を受け止めることでフランス生活がより一層楽しいものになりました。


滞在中、フランス人だけでなく他の国の方々・日本人にも出会え、今でも交流を持っている方もいます。留学中、フランス語の通じない他国への旅行にも行きました。フランス語がまだまだ未熟だった私ではありますが、すでに私にとってフランスは第二の母国のようになっており、フランス語も日本語も通じない国に対して居心地のいいものではありませんでした。「早くフランスに帰りたい」と思っていました。

ヨーロッパの他国もフランス同様、景色・景観は綺麗ですが、私にとってはやっぱりフランスです。その国の言葉を少しでも話せるようになり、相手の言葉が少しでも理解できるようになるだけでも日本と同じように母国として感じられるのだと思いました

帰国後、別の職場ではありますが、仕事復帰しました。フランス語は日本で使う機会はとても少なく、でも使わなければ忘れていってしまいます。しかし珍しいことにフランス語しか話せないお客様がおられ、フランス語が少しでも話せる私を上司や同僚は頼ってくれました。ビジネス会話としては私にとってまだまだ遠い話で、不安もありました。しかし再び仕事に追われ、フランス語を忘れそうだった私にとって、一時的にでもフランス語で仕事ができること、頼ってもらえること、きっとお客様にとってもフランス語で話せることへの安心感を与えてあげられることに大きな喜びを感じ、「留学して良かった」と本当に思える瞬間でした。

フランス人は勿論英語が話せる方は多くいますが、話せない方もいます。私がフランス人に沢山助けてもらったように、日本で困っている外国人を見かけたらためらわず積極的に声を掛けてあげたいと思えるようになりました。そして、フランス人のようにためらわず道行く困っている人に無意識に手を差し伸べ助けられるよう、この経験を忘れず、これからの生活を送っていきたいと思います。

留学中は色々ハプニングもありましたが、私の人生の中で本当に貴重な経験で、後悔したことは一度もなく、「留学して良かった」と100%思える経験となっています。

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