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– Today’s writer –
名前/住まい
Tsuki(40代前半) / カナダ
今回ご紹介いただく国は?
カナダ トロント
滞在している期間は?
2006年1月~現在
カナダでは日本人は褒められる存在!?
私がカナダのトロントに初めて来たのは13年前である。海外には興味があったが海外といえば洋画やたまに行く海外旅行ぐらいだった。海外旅行に行っても現地の人々とじっくりと話す機会もなく主に観光地を回るのみで終わっていた。だから自分がどの様に見られて思われているかは考えた事もなかった。
というのも日本にいたときにカナダ人の知り合いがいたのだが、彼はいつも「僕はカナダでは地味で全く目立たない存在だった。誰も僕に見向きもしなければ、興味も持ってもらわなかった。それなのに日本に来てからは常に視線を感じるし、全く女性にもてなかった僕なんだけど、彼女が途切れないんだ」
日本に来てからいきなり脚光を浴びた彼の中では不思議な出来事だったようである。
今でこそ多くの外国人が日本に滞在していて道で外国人とすれ違う事はたいして珍しくもないであろうが当時の私の地元では英会話の先生ぐらいしか外国人と出会う機会がなかったのである。初めての海外生活をしていくうちに自分がどのように見られて思われているのかが分かってきたのである。
トロントは移民が多く住む都市なのでアジア人も多い。その中でも中国系のアジア人が多いのだが、同じアジア人同士なら何となくその人のルーツが分かるのだが、アジア人でない人から見ると違いがよくわからない。
それは私が例えばアラブ人はみんな同じに見えるがアラブ人は同じアラブ人でもどこの出身か分かってしまうのと同じである。
トロントにいて私は大抵の人に中国人と見られているのだが、そこで「私は日本から来た日本人です」と言うとほぼ全員が「日本人なのか?いいね!」と返してくる。一体全体、何がいいのか全く分からなかった。
中には理由を熱く語ってくれる人に出会う事もある。特にタクシーやUBERの運転手などは話好きなトロントニアン(トロントに在住する人)が多いので乗り込むとすぐに「君は中国人か?」や「どこの国から来たんだ?」と話しかけてくる。
そこで「日本から来ました」と言うと、まるでラッキーパーソンにあった如く顔色が変わり「オー日本人なのか!日本ほど素晴らしい国はない!日本人は礼儀が正しく、きちんと働き、やさしい良い人ばかりだ」など褒められまくる。その口調がまるで日本に行った事や知り合いがいる様なので聞いてみたところ
「ないよ」
ズッコケそうな回答が返ってくることが多々あった。
彼らの多くはメディアに映る日本や聞いたことがある話などから日本を高く評価している。中には日本に旅行に行った人や日本人が周りに入る環境の人もいたのだが、その人達は、さらに熱く語る傾向にある。
同僚の仕事ぶりや時間厳守を褒めたたえるのには、日本人だからではなくその人だからでは?と思うところもあったが日本人として褒めてくれるのに嫌な気はしないので素直に受け止めているのだが、日本に行ったことがある人の話はほとんどが東京話である。日本といえば東京なのであろう。
私は関西出身で実のところ東京には数回行ったぐらいで東京についてはほとんど何も知らない。だが彼らは私が東京代表ごとく接してくる。「東京の見どころはどこだ?」「東京のどこそこについて教えてくれ」「東京のあの場所行ったか?」東京代表になれない私は自分は正真正銘の日本出身だが東京はよくわからないと言うと驚きの表情になられる。
ある人は私の出身地を聞いて疑いのまなざしで「そこは聞いたことがない。本当に日本なのか?」と若干失礼なことを聞いてくる人もいた。
そしてよくあるのが、日本人と伝えた後にくる「こんにちは」という日本語。実はたまにこの「こんにちは」にどう反応すべ
きか困る時がある。というのも彼らはかなり自信満々つまり「日本語をしゃべれるんだぜ」感がかなり漂っているのである。
ここで「こんにちは」と返すのみだと「さよなら」「おっす」「はい」など全く会話にならない単語がでてくる。
彼らは自分が日本語を知っていることを誇りに思い、日本人に褒めてほしいのだ。私がそれに気づき「日本語知っているのですね」とちょっと驚く表情を見せるとかなり喜ぶトロント二アンである。
毎回心の中では私も世界の言語の挨拶ぐらいは出来ますよとひそかにつぶやいている。
また日本好きトロントニアンから日本の商品についてもよく聞かれる。全日本人がカメラに詳しいと思っているのか「○○のカメラと○○のカメラの違いは何か。」
カメラだけではなく電気製品については日本人に聞くと解決みたいな傾向がありよく聞かれる。そこで私が知らないと答えると日本人なのにと少し落胆される。また日本の商品にかなり高い評価をしてくれるがその割には褒めまくるテレビは実は日本製でないこともある。そんな日本、日本人を褒めたたえるトロントニアンによく聞かれる質問がある。
私は永住権を取りカナダに移住しているのだが、彼らにとって日本のような素晴らしい国出身なのになぜカナダに移住を決意したのかが疑問で仕方がないのである。トロントにいる移民の多くはより良い環境にとカナダ選ぶ。
その大半は内戦状態だったり、経済状態が悪いからという理由である。日本みたいに平和で経済状態も良い国を出る理由が彼らは分からない。私は何も日本が嫌になって日本を出たわけでなく、ただ他の世界も見たかった。そしてカナダで刺激をうけ自分の居場所はここだと思い移住したと説明している。
これは表向きである。本当にところは失業し、当時付き合っていた男性と別れバケーションだ!それバケーションだと飛び出してみただけだったのである。そしてかなり緩めのカナダが気に入ったのである。
では話の初めの日本に在住する自称カナダでは全くモテなかった知り合いが日本でかなりモテた。
カナダでは日本人は恋愛対象としてはどう思われているのか。思い起こせば残念ながら自分自身はあてはまらなかったが、例えば「私は日本人です。」と言うとすぐに結婚しているのか聞かれる。
そこで結婚して子供もいると答えると私のことなどどうでもよくなり、私の知り合いに独身の日本人の知り合いはいないかと聞かれたことが結構あった。
日本人ではないが独身の知り合いがいると答えたら「あっそう」で終わり日本人の知り合いがいると言ったら即座に紹介してくれと頼まれ、中には名刺を渡してくる強者もいたのだ。
なぜカナダ人女性では無反応で日本人にすばやく反応するのか、理由はこうだった。
「日本の女性はドラマにならないだろう」
つまりここでのドラマとは些細なことが大きな問題、喧嘩にならないことを示している。自己主張が強いカナダ人よりも控えめな日本人女性のほうが付き合いやすいらしい。まさにこれは彼の中にある勝手な日本人女性のイメージである。
「随分と前から日本の女性はカナダの女性同様、自己主張をしますよ」
何度か言ってみたがそれでもまだ日本の女性のほうがよい。どうやら日本人女性は相変わらず人気のようである。
そういえばとんでもない人もいた。日本が大好きな人だったのだが、彼が熱く語るのは忍者だった。忍者をこよなく愛し忍者博士になれそうな人に忍者は存在しないと告げるのは酷であったが、「日本人の君が知らないとは驚きだ。映像でも見たんだ。かなりクールだよ」私が思うに彼は忍者村の映像を見て信じきったに違いない。
かなりインパクトのある日本好きに会ってきたが彼らに共通するのは日本は素晴らしい国で日本人は素晴らしい国民だということは明らかに感じ取れた。いまだかつて日本出身と言って気の悪い思いをしたことはない。
反対に褒められまくるので自分が日本を背負っていると錯覚しプレッシャーすら感じる時もある今日この頃である。
あとがき
最近、カナダのトロントに日本人が増えてきて日本のレストランやお店での日本人の仕事ぶり、接客態度から日本人の印象がますますよくなってきていると思います。
日本人は愛想が良く、丁寧で気遣いができ仕事が早い、カナダ歴が長くなるとカナダ流というか愛想はその人の気分次第、丁寧さと気遣いは求めず、待つことに慣れるというのがあたりまえになってしまい、日本のお店に行ったときや日本に帰国した時にサービスが丁寧すぎてびっくりします。
これは多くのカナダ在住の日本人が同じように思っています。日本人の私ですらそう思うのだからカナダ人が日本や日本人を褒めたたえるのは分かる気がします。郷に入っては郷に従えとはありますが日本人の良きところ、そこは変えることをせずにカナダでの好印象の日本、日本人が続いていけばと思います。
日本に興味があるカナダ人は多いので日本のことをいろいろ教えてあげるとかなり盛り上がります。
私も実は日本にいた時より日本のことを気にかけ興味が湧いてきました。日本を離れて初めて見える日本の良さ、日本人としての誇りがカナダの地で感じる事ができると私は思います。
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