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【フランス留学】貴重な体験。リヨンで学んだ処世術

– Today’s writer –

 

名前/住まい

Zaza(20代後半) /イギリス北東部

どこの国・都市へ留学しましたか?

フランス オーヴェルニュ・ローヌアルプ地方 リヨン

留学していた時期は? 

2016年〜2019年

 

留学を決めたきっかけとその国を選んだ理由は?

 

両親が語学学習や洋画・洋楽鑑賞を趣味としていたので、それに影響を受け、成長するにつれて漠然と海外に対する憧れを抱くようになりました。とはいえ、憧れだけはあっても留学等への明確な目標がなかった学生時代は、特に日本から出ることはありませんでした。社会人としての夏季休暇を利用しアメリカへの初海外一人旅に挑戦した際に、やはり一度は海外で生活してみたいとの願望をはっきりと自覚したことがきっかけで、留学を計画し始めました。

 

何らかの学位の取得は目的ではなく、海外で生活するついでに語学学習ができれば十分だと思っていたので、当初は数ヶ月の語学留学をメインの目標としていました。せっかくなのだから学校で学んだことのない、自分にとっては未知の言語・国で生活してみたい、という気持ちがあったのと、情報を集める中でヨーロッパに行った方が渡航した後での生活費を安く済ませられる可能性があるのでは?と考えるようになったので、英語圏の国は候補から外しました。

 

フランスを選んだのは、まずは行く前に言語の習得からだろうと思い外国語教室を比較検討した結果、当時は東京在住だったのですが、通える範囲で一番コストパフォーマンスがよかったのがフランス語のコースだったから、という身も蓋のない理由からです。

 

 

その後、働きながら実際に数ヶ月間、ゼロから学習してみて興味が持てたので、そのまま流れで退職後にフランスに留学してみようと決めました。当初は語学学校に数ヶ月行くだけのつもりでしたが、結果的には当初の予定から大きく外れて、現地の大学に編入するまでに至りました

 

フランスと日本との間での大きな違いは?文化や習慣の面で驚いた点は?

 

2年半の滞在を通して何よりも衝撃的だったのは、デモとストライキの多さです。フランスの国営鉄道SNCFに代表される鉄道のみならず、各都市の地下鉄やバスやトラムなどの公共交通機関においても、結構な頻度ストライキによる本数減や運休などを実施します。

 

2017年度の終わり頃(2018年の前半)にSNCFがマクロン大統領のテコ入れに反対した労働組合が大規模ストライキを実施していた際、どうしても遠方に行かなければならない事情があり事前に電車のチケットを予約していましたが、案の定、当日駅に行ってみたら乗る予定だった列車は運休。列車が運休されることくらいは想定はしていたものの、その場で発行された代替チケットで、本来であれば片道3時間の距離が、電車とバスの乗り継ぎで最終的に倍以上の約8時間かかった時にはさすがに辟易しました。

 

また時を同じくして、同様にマクロン大統領の大学入学改革に関する法案に反対する学生運動の嵐がフランス全土に吹き荒れ、私が在籍していた大学も、約二ヶ月くらい校舎が学生達によって占拠・封鎖されるという事態にも遭遇しました。一部暴徒化した学生による破壊行為や、それに対応する警官隊の出動を目撃したり、講義がまさかのキャンパスの庭で行われるクラスまであったりと、非常に印象深い経験をしました。

 

2019年3月現在においても進行中の「黄色いベスト運動」に関しても同じことが言えるのですが、何かを変革を求め自分達の意見を訴える為に人々が一致団結し、自分達の主義主張を貫き通すその姿勢は、本当にフランスのお国柄を象徴しているなと思います。

 

 

渡航先の町で見つけたおすすめの穴場スポットは?

 

わざわざ観光で訪れる人はあまりいなさそうだけれど、同時に非常に興味深いスポットとして、パリにあるmusée de la chasse et de la nature(狩猟と自然の博物館)を挙げたいと思います。

 

館内には絵画などの美術品と並んで、というかそれ以上に多くの猟銃、あるいはありとあらゆる動物の剥製が展示されているのですが、おどろおどろしい雰囲気かと言えばそんなことはなく、むしろ個人的には美しく気品のある貴族文化としての狩猟、というものを垣間みれた気がしました。

 

ただ、貴族の邸宅を改築した上にそのような重厚な雰囲気の展示物が所狭しと並べられているので、重々しい雰囲気が苦手な方にはあまりオススメできないディープなスポットなのかも知れません。(個人的には住んでいた街に特筆すべき場所が思いつきませんでしたので、旅行先としてパリで見つけたオススメスポットを書かせていただきました。)

 

参考 Musée de la Chasse et de la Nature公式WEBサイト

 

 

フランス・パリの人気&おすすめホテル☆

 

滞在先の環境面は?どんな所に住んでいたの?

 

当初、語学学校からの斡旋で、ホストファミリーの家に約3ヶ月間滞在していました。リタイアされた元気なご夫婦のご家庭で、近くに暮らしている二人の娘さん家族との交流も盛んだったので、日常生活に即したフランス語の勉強になりました。また、入れ替わりで最大3人まで学生を受け入れているご家庭でした。

 

食事は朝と夜2回の食事と個室を提供され、バスルームは他の学生とシェア。また、事前に学校から確認はされましたが、ペットとして犬も二頭いました。たまに私が深夜や明け方に帰宅しても何も言わないどころか、「昨日の夜は楽しかった?友達とお酒も飲んだ?」と確認してくるなど、むしろ私がナイトライフを楽しむことを推奨していたくらいに大らかなご家庭でした。

 

反面、10代の子供など、あまりに若いと受け入れる側として配慮しなければいけないことが多くなるので、ある程度自立した成人の学生しか受け入れないというポリシーをお持ちだったようです。

 

 

一方で、ホストファミリーとの間に軋轢が生じて、解決に至らず引越しを余儀なくされた知り合いもいました。その方は私と同じ日本人だったのですが、不満はたくさんあるけれど、ホストファミリーにはなかなか直接その不満を言い出せないまま生活を続けていました。

 

色々なことが積み重なり相当なストレスを感じておられたので、学校に相談してみたらどうかとアドバイスすると、相談後に学校側から速やかに他のホストファミリーを紹介されて、その先ではとても快適に過ごせたようです。相性があまり良くない場合は、お互いに噛み合わないまま一緒に暮らし続けるよりも、きちんと主張や意思表明をした方が、双方のためになると思った出来事でした。

 

 

学生寮に関して言えば、大学生や大学院生などの場合、フランスのCROUSという機関が提供する公的な学生寮の申請もできます。私は申請したことはありませんが、基本的に普通のアパートを借りるよりも断然安いです。

 

代わりに保証人のいらない公的でない学生向けのレジデンスを借りていました。保証人不要の代わりに、入居時のデポジットの他に数ヶ月分の家賃の前払いが必要でした。また入居書類作成費用というのも支払いました。特に外国人を多く受け入れているような所だと、英語が通じることも多いかと思います。

 

また、私の身の回りでは、外国人留学生・フランス人関係なく、オンライン上で個人で部屋を貸し出している大家さんを探し、直接コンタクトを取っているケースが非常に多かったです。有名なサイトの一つに“Leboncoin“というものがあります。私も、そのサイトを使ってアパートを借りたことがあります。

 

たまたま大家さんが大の日本好きで、日本人である私に好印象を持ってくれたため、割とすぐに入居の合意ができましたが、その大家さんに出会うまで、7〜8軒くらいは内見に行った記憶があります。結局は貸し出す側との相性なので、他の入居希望者との比較で断られる場合も勿論ありますし、最低限の語学レベルと交渉力は必要なのと、あるいは手伝ってくれるネイティブスピーカーの方などがいるとより良いかもしれません。

 

他には不動産業者を仲介して普通にアパートを借りる方法もありますが、手数料が高かったりフランス国内に保証人を求められることも多かったりして、容易ではないです。日本人の留学生でその手段を取っている人はあまり見かけませんでした。

 

 

「リヨン」はどんな街?

 

私が最後に住んでいたリヨンという街は、フランス南東部に位置していて、市の周辺も含めた都市圏の規模はフランス第二位とも言われています。街の中心部は2本の大きな河川に挟まれた中洲に位置し、中心広場はフランス南部で一番の大きさを誇るそう。

 

 

家探しに関しては、住む場所にもよりますが、必ずしも安いとは言えないのと、大学も多いので時期によっては競争率が高い印象です。トラムや地下鉄、そしてバスと、交通網は発達しているので交通の便自体は良い方です。また、いたるところにレンタル用の自転車も用意されていて、幅の広い道路には自転車専用車線もあります。

 

そして何より美食の街として知られているだけあって、伝統的なフランス料理から日本料理のレストランまで、比較的、外食の選択肢は多いかと思います。正直、観光目的であれば、2,3日あれば十分だと思いますが、都会ではありつつも、のんびりした雰囲気もあり、落ち着いて勉強するには良い街だと思います。パリの喧騒が苦手な方にはちょうど良いかも知れません。

 

留学の感想&読者の皆さまへアドバイス!

 

フランスに限ったことではないと思いますが、異国の地で外国人として一人で生きていくのは決して容易なことではありません。自身のフランスでの滞在を振り返って今思うのは、自分がいかに多くの人の力を借りてきたか、ということです。語学が完璧ではなく手続きなどで苦労した際には迷わずフランス人の友人にアドバイスを求めたお陰で何度も助けられたし、ホームシックになりかけた時には、日本人の友達がいてくれたお陰で乗り越えられました。

 

せっかく外国にいるのだから、と思って気合が入っていた時期もありましたが、精神的に無理をするのを避けることが、結局のところ異国の地での滞在をより良いものにするな、と思います。

 

またここには書ききれませんが、日々生活する中で、もはや勉強どころじゃなくなるくらいの、主に不便さに起因するトラブルに見舞われたことも多々あります。それらを乗り越える過程で、自己主張することの大事さ、人と交渉する能力などなど、日本を離れることで初めて知った処世術というものが身についた、というか身につけないと生きていけなかった、一筋縄ではいかない奥深い国、それが私にとってのフランスだと思います。